平成15年の門前掲示



平成15年12月の門前掲示

そのうち そのうち
    べんかいしながら 日がくれる

 小学生の時、社会見学で日立製作所の工場に行ったことがあります。
 工場の中がどんな様子で、何を作っている工場だったのかなどは忘れてしまいましたが、広い作業場のまん中に左右から「今日の仕事を明日にのばすな」と書かれた横断幕が張られていたことだけが今でも印象に残っています。
 小学生だった私にとってこの言葉はとても衝撃的でした。「今日できなければ無理をせず次の日にすればいいじゃないか。あわてると失敗するかもしれないし」そんな風に思いました。
 でもやはりそうではなかった。今日すべきことは今日中に行うべきなんだよね。
 特に会社の仕事は納期があるからのんびりしたことを言っていると、間に合わないからね。

 今月の言葉は、相田みつをさんの言葉です。
 仕事でなくても「そのうち」と思っている事ってなかなかやらないものですね。
 年末です。何かやり残したことはありませんか?
 今年のお正月に計画していたことは実行できましたか?

 ああ、なんだか今月の言葉は自分自身に言っているようだ...。

平成15年11月の門前掲示

仏神は貴し、仏神をたのまず          宮本武蔵「五輪書」

 以下は前総持寺貫首板橋興宗禅師のおことばの抜粋です。

 試験に合格したい、事業に成功したいと、祈らずにはおられません。ところが祈ったが神様や仏様がその願いを叶えてくれなかったら、こんなものと蹴飛ばしたり泥をかぶせるような気持ちで祈願するのは、いわば賄賂的な信仰というべきでしょう。やはりお百度を踏んで願をかけるというところに純粋さが出てくると思います。それで落っこちれば仕方がない。あれほどやってもだめならというあきらめがつく。
 もう少し哲学的なことを申し上げますと、祈っているそのことがいのちの全体なのです。祈らずにじっとしておられないという、現実のせっぱ詰まった「いのち」そのものの燃焼なのです。結果はさまざまな要因でどうなるかはおまかせだというところに、本来の宗教の姿があると思います。

平成15年10月の門前掲示

一番より尊い ビリもある

 運動会のシーズンです。

 以前、テレビで、足の遅い子供が、専門のコーチについて練習をして運動会に臨む、という番組をしていました。
 モモを高く上げる、左右の足を素早く切り替えるなどの訓練をしていました。その子供も熱心に又、楽しそうに練習をしていました。
 そして、運動会当日。結果はそれほどよくなかったけれど、その小学生の彼の顔は晴れやかでした。一生懸命出せる力を出し切って、やれることはやりきった、そんなさわやかな顔でした。「足が遅いんです」と相談に来たときの顔に比べて少し大人に見えました。
 この番組を見たとき、「ああ、順番じゃないな、自分がどう問題に立ち向かったかだなぁ」と思いました。

 一生懸命やって力を出し切れば、結果はどうあれ尊いものです。「適当にやったら一番だった」というよりずっとカッコいいです。

平成15年9月の門前掲示

笑顔は最高の化粧なり

 最近は高校生の中にもお化粧している人がいますが、もったいないですね。素顔で十分。

 テレビで、女性の顔を整形(しない場合もあるけど)して、こんなに変わりました、という番組があります。私はこの番組で修正された顔を見るたびに、いつも必ず「元の顔の方がよかったなぁ」と思ってしまいます。
 安易に整形や厚いお化粧をするより、笑顔でいた方がずっと良いと思います。

 私はよく「年齢に比べて若く見える」と言われます。苦労が足りないせいもあるかもしれませんが、私はいつも笑顔を心がけているので、そのおかげだとも思います。

 どうぞみなさん、今日も笑顔で!!

平成15年8月の門前掲示

努力

「努力している」と自覚している作業は、
つらいと思うか または 自己満足に 慢心する。
はたから見ると 努力しているように見える作業でも、
本人が大好きでやっていると、
それは楽しい。


小泉吉宏著「ブッタとシッタカブッタ3 なぁんでもないよ」から抜粋です。

平成15年7月の門前掲示

「一等賞にならなくていい あなたは元から唯一の存在だから」

 ドラマ「僕の生きる道」が終了してから3ヶ月ほど経ちますが、今もなお、このドラマの主題歌「世界にひとつだけの花」がヒットチャートに上がっていますね。
 本当はこの曲の歌詞をそのまま引用したかったのですが、著作権の問題でネット上に載せられないので、私なりに意訳して書きました、といっても歌詞のどの部分を引用したかすぐ察知できると思いますが...

 この曲は、槇原敬之さんの作詞だということですが、何かの書物を読んで参考にしたのか、それとも彼自身が苦労の末たどり着いた境地なのかわかりませんが、かなり仏教的なメッセージだと思います。

 人間は皆、もともと一人一人違う存在なのだから、その中で何かを比べて一番になろうとする必要はない、それよりも、自分自身一人一人が自分のいのちいっぱいに自分らしさを出す方が大切だ、ということだと思います。

平成15年6月の門前掲示

「交通事故は平坦な処で起こしやすい   あぶない処では注意するから起こらない」  

 注意してください。交通事故。私も昨年大事な友人を失いました。

 交通事故ばかりでなく、人生でも「大丈夫」と油断した時に限って、大きな失敗をするものです。
 毎日の生活の中でも、車の運転でも、慣れているから、道が平坦だからと油断せず、よそ見せず、常に注意を心がけてください。

 何か物事をするときは、そのことに集中する事が大切です。
 他の事を考えていたり、他のことをしながらだと必ず失敗します。

平成15年5月の門前掲示

「わが気に入らぬことが わがためになるものなり」

 佐賀藩藩祖 鍋島直茂の言葉です。

 イヤな事、面倒な事って、避けて通ろうとしても、結局なぜか自分の所に回ってきて、やらなくてはならない時が来るんですよね。
 それなら最初から、「自分の為になる。えいやっ」ってやっちゃった方が気持ちいいかもしれませんね。

 

平成15年4月の門前掲示

「友を得る唯一の方法は、自分が良き友になる事である」

 入学のシーズンです。
 入学は多くの新しい友人に出会うことのできるチャンスです。
 子を持つ親は、子供を通して親同士の友人の輪が広がると思います。
 良い友に出会えるといいですね。

 ちなみに私は社交性に欠ける性格のため、「親友」と呼べる友人はとても少ないです。
 でも、私は、親友と呼べる友人がいるということだけでも、とてもありがたいことだと思っています。
 

平成15年3月の門前掲示

「今をどう生きるか」

 今、テレビで「僕の生きる道」というドラマを放送しています。
 SMAPの草g剛クンが主演のドラマです。
 胃ガンで余命1年を宣告された青年が、残りの人生をどう生きていくか、という話。

 この「今をどう生きるか」というのも、このドラマの中で出てきたセリフです。
 
 この他にも様々な名言があったので、ここに書いておきます。

・「読まなかった本」を引き合いに出して、
「この本の持ち主は、これを読む時間がなかったのでしょうか?多分違います。読もうとしなかった、それだけです。そのことに気づかない限り、5年経っても10年経っても持ち主がこの本を読むことはないでしょう。・・・受験まであと1年です。皆さんの中にはあと1年しかないと思っている人もいるかもしれません。でもあと1年しか無いと思って何もしない人は、5年あっても10年あっても何もしないと思います。だから1年しか無いなんて言っていないで、やってみましょう。この1年、やれるだけのことをやってみましょう。」

・僕は夢が叶うかどうかより後悔するかしないかの方が大切なようが気がするんです。

・将来のことを考えすぎて、今の自分を見失ってはいけない。

・「誰かに反対されてやめるようなら、そんな夢は追いかけないほうが本人のためだと思います」

・(小学校の時の文集)僕は幸せな人間になりたいです。幸せな人間とは後悔のない人生を生きている人だと思います。

・(病院の主治医が、秀雄に結婚を勧め)「こんな言葉がある。たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」

・例えば、高校生活は、いい大学に入るためにあるとしましょう。
 大学はいい会社に入るため、会社に入ったら、係長になるために仕事をし、係長は課長になるため、出世はたくさんの退職金をもらうため、たくさんの退職金は、老後を豊かに過ごすため、こんな風に将来のために今を犠牲にして一生を過ごしたとしましょう。
 そうやって生きてきた道には、自分の足跡が何も残っていない気がするのです。
 つまり、将来を考えて生きることも大切ですけど、その時その時もしっかりと生きて欲しいのです。
 高校生である君たちが、今歩いている道にしっかりと足跡を付けて欲しいのです。

・このままベッドでおとなしくしていれば、少しは長く生きられるかもしれません。でもそれは僕にとって生きたとはいえません。
 僕は最後まで生きたいんです。


平成15年2月の門前掲示

「まける人のおかげで勝てるんだなぁ」

 相田みつをさんの詩です。

 受験のシーズン到来です。
 希望の学校に入学できる人もいれば、残念ながら希望通りにならなかった人もいるでしょう。
 合格した方、喜んでばかりいてはいけません。あなたのために一人合格できなかった人がいるのです。
 今後はその人たちに感謝しながら、新しい学校に通うべきです。
 決して退学したり、学校をさぼったりするべきではありません。
 希望通りにならなかった人、落ち込まずに、あなたのおかげで合格できた人がいるのです。応援してあげましょう。
 また、ほかの道でがんばればいいのです。

 私の事を話しますと、私はいつも「負け」の方でした。高校、大学、就職、一度も希望が叶ったことはありません。
 そのときは、とてもくやしく、「そのうち見返してやる」などと思っていましたが、残念ながら、見返す機会などありませんでした。
 むしろ、今は、当時「私のおかげで」希望通りになった方々にお世話になることばかりです。
 私も私で、希望通りにならないながらも、いい出会いがあったり、希望通りになっていたら、ぜったい経験できなかっただろう、という貴重な経験をたくさんすることができました。

 そのときは、「うれしい」「くやしい」と思っても、過ぎてしまえば、勝ちも負けもないんじゃないのかなぁ。
 

平成15年1月の門前掲示

「目標を持てばすごい力が出る」

 お正月には、お寺や神社に行って初詣をすると思います。
 さて、何をお願いしますか?
 「お金持ちになれますように」「志望校に合格」「恋人ができますように」
 いろいろあるかと思います。

 でも、お願いしただけではだめです。
 それに向け、努力しなくては、願い事は、かないません。
 願いが叶わないのは、祈りが足りないのではありません。
 願い事に向けて努力が必要なのです。

 そのために「目標」を決めるのがいいと思います。
 名横綱・千代の富士は、何かのインタビューの中で、「私は常に小さな目標を決め、それに向かって努力し、目標に到達すると、また次の目標を決めている。」というような話をしていました。

 大きく目標を決め、それに向かってがんばるもよし、千代の富士のように、常に小さな目標を決め、こつこつ積み上げていくもよし、今年の初詣は、神仏に向かって「おねだり」はやめて、神仏の前で「目標」を宣言してみたらいかがでしょうか?
 


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