「ひとりの人間は、無限の過去、未来とつながっている」 ノーベル化学賞 福井謙一 1981年にノーベル化学賞を受賞した福井謙一さんの言葉です。 正確には、「時間と空間を媒介して、宇宙空間の全ては因果関係でつながっている。ひとりの人間は、無限の過去、無限の未来とつながっている」です。 仏教と聞くと、なにやら怪しい、オカルト的なイメージを持つ方もいらっしゃるようですが、その仏教の教えのひとつ「因果関係」について、理系中の理系ともいえるノーベル化学賞を受賞する方も説いているのです。仏教はオカルトではなく現実的な教えであると言えます。 因果は、今おこっている物事には必ず原因があるという教えですが、ひとつの原因がひとつの結果を生んでいるわけではなく、様々な原因が重なりあって結果が出ています。「種を植えたら芽が出る」という因果関係ひとつを取っても、水や光、温度、また種を虫や鳥に食べられなかったなど、多くのご縁をいただいてようやく芽が出てくるのです。 よく言われる例えですが、私が生まれるために、父母がいて2人、その両親がいて4人、そのまた両親がいて8人、こうやって10代遡ると1024人もの人のご縁で生まれてきた事になります。その1024人のご先祖さまたちもたったひとりで生きてきたわけではなく、その友人、お世話になった人々など、無数の方々のご縁によって生きてきたはずです。また同様にわたしたちは未来に対しても、無限の因果関係の原因となっていくはずです。 過去のご縁に感謝し、また未来のご縁に向けて正しい行動をしていきたいものです。 |
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