「正射必中」 (正しい射法で射られた矢は、必ず中(あた)る) 弓道の言葉 テレビなどで、弓道稽古の様子を見ることがありますが、所作の美しさや緊張感で、見ていて清々しい気持ちになり、また身が引き締まります。 今月は、その弓道の言葉からです。「正射必中」「せいしゃひっちゅう」と読み、正しく射られた矢は必ず命中するという意味なのだそうです。 弓道には、矢を射る際に「八節」といって八つの基本動作があるそうです。それを正しく丁寧におこなえば、必ず的に中てることができるという事だと思います。 仏教では「因果」を説きます。出てきた結果には必ず原因があるということです。裏返せば、原因を正しくすれば、正しい結果がおのずとついてくるという事になります。「正射必中」という言葉は、この因果の教えに通じるところがあると思いました。 私たちは結果優先で、つい楽な方法で良い結果を得ようとしがちですが、そのようなよこしまな心、ずるい気持ちで物事を行っていては、最初はうまくいくことがあるかもしれませんが、きっとうまくいかなくなる時がきます。正しい気持ちで、丁寧にものごとを行うことで、常に良い結果がうまれるものと私は思います。 すぐに結果が出なくても、地道に正しい事を続ける人になりたいものです。 |