令和4年の門前掲示


令和4年11月の門前掲示


「満足感を常に持て」 角田光男(所ジョージの父)
 
 NHKの「ファミリーヒストリー」という番組があります。出演者のご先祖さまについて、家族の歴史について調べ紹介する番組です。
 この番組に先日、タレントの所ジョージさんが出演されました。

 その中で、所ジョージさんのお父様が、自宅の台所に「満足感を常に持て」と筆書きで書いて貼った、というエピソードが紹介されました。
 所さんは、いつも気楽で力が抜けている感じで、そこが大変魅力的なタレントさんだと私は思いますが、所さんは、この「満足感を常に持つ」という言葉の通り、欲しい欲しいとガツガツせず、あればあるなりに、なければないなりに楽しく過ごして生きてきたのではないか、と思いました。それが所さんの魅力につながっているのかなぁと想像します。

 仏教には「少欲知足」という言葉があります。欲を少なくして、常に足りている事に気づきましょうという教えです。私たちも、満足感を常に持ち、所ジョージさんのような楽しそうな人生を送ってみたいものです。

 





令和4年10月の門前掲示


「今日が 未来をかえる」 化粧品のCM
 
 化粧品のCMで使われていた言葉です。

 過去に起こったことはもう変えることはできませんが、今日やったことは明日につながります。続ければ未来につながります。
 「明日やろう」と思わずに、今日から始めてみたいものです。

 





令和4年9月の門前掲示


  「荷を捨てなさい」 ナウシカ

 
 昭和59(1984)年に封切りされた宮崎駿監督によるアニメ映画「風の谷のナウシカ」の一場面からです。

 ナウシカが捕虜として連行される道中、襲撃を受け、連行されている飛行船が墜落しそうになります。ナウシカと共に捕虜になっていた城おじ(城の護衛)たちが騒ぎますが、ナウシカは城おじたちに、墜落を免れるために荷を捨てるように命じます。飛行船の荷物を捨てることで飛行船が軽くなり不時着に成功します。

 私たちも人生においていろいろなものを抱え込んで、墜落寸前かもしれませんね。

 禅語に「放下著(ほうげじゃく)」という言葉があります。
 「放下」とは、投げ捨てる、放り出す、捨て切るという意味の言葉です。「著」という字は、前の言葉(放下)を強調させる助字なので、その字自体に意味はありません。今で言う「!」と同じです。「放下著」とは、すべての執着を捨て去れ、執着を空っぽにしてみろという意味です。

 いつまでもなんでもかんでもつかんでいては苦しいだけです。放り出してしまいたいものです。






令和4年8月の門前掲示


  「ゴミを拾う事は 運を拾う事」 大谷翔平

 
 アメリカ・メジャーリーグ ロサンゼルス・エンゼルスで、投手打者で活躍する「二刀流」選手として知られる日本人野球選手大谷翔平さんの言葉です。

 仏教は「因果」を説きますので、「運がいい/悪い」「こうすると運が良くなる/悪くなる」などという事はいわないですし、私自身もあまり「運」の話を好んでしていません。

 今回「運」という言葉が入ったものを紹介したのは、大谷選手の、
 「(ゴミが原因になり)階段で転んだりする人もいますし、そういうつまらない怪我は自分も周りの人にはしてほしくない」
 という話を聞いたからです。

 ゴミが原因で転んで怪我をして「運が悪かった」と思うなら、怪我をする前に、怪我の原因となるかもしれないゴミを拾っておけば良いのです。
 結果として、ゴミが原因で怪我をする不運に遭うことがなくなり、最高のパフォーマンスを発揮する「運」を引きよせる事ができるのだと思います。

 私たちも「ゴミを拾う」など身近で地道な行いが、めぐりめぐって良い結果をもたらす事になるかもしれませんね。「ゴミを拾ってきれいになった」というだけでも気持ちが良くなりますね。進んでゴミを拾いたいものです。







令和4年7月の門前掲示


  「やりなおす事は 失敗じゃない」 自動車教習所の教官

 
 自動車教習所での運転教習は、あまりいい思い出はない人が多いと思います。私もつらい思いをして運転免許を取得しました。
 もう20年くらい前でしょうか、小さな居酒屋のカウンターで知人と飲んでいたら、たまたま隣に座っていたおじいさまが、昔、運転免許の教官をしていたとの事でした。 自分が免許を取った時、厳しいことを言われてつらかったという話をしたところ、「こっちだって命がけだ。なにしろ運転免許を持っていない人が隣で運転しているんだから。言葉もきつくなることがある」と言っており、なるほどその通りだと納得しました。

 さて今月の言葉は「やりなおす事は 失敗じゃない」という言葉です。先日テレビを見ていたら、自動車教習の様子が放送されていて、クランクの教習のところで、教官がうまくいかなかった生徒さんにかけた言葉です。「一度バックしてやりなおそう。やり直すことは失敗じゃない。」

 自動車の運転は「認知 判断 操作」と教わります。「認知」は状況の確認 「判断」は認知した内容に基づいて行動を決めること 「操作」は認知判断に基づいて実際に車を動かすこと です。私たちも人生において、状況を確認し判断し行動を起こしているので、人生と車の運転は似ているなと思いました。自動車の操作も一回間違えて進んだ事実は消せませんが、戻ってやり直せば正しい道を進むことができます。私たちも生きていく中で「これは違ったな」と思ったらすぐに反省しやり直せば良いのです。






令和4年6月の門前掲示


  「笑顔は副作用のない薬」 パラカヌー・瀬立モニカ選手の母

 
 東京パラリンピック パラカヌー日本代表で、7位入賞した瀬立モニカ選手のお母様の言葉です。

 瀬立モニカ選手は高校1年の体育の授業により脊髄を損傷し胸から下が動かなくなってしまいました。この怪我で入院している時に、看護師をしていたお母様が瀬立選手に、「どんな薬を使ってでも治すことはできないけど、笑顔でいれば周りの人も幸せになるし、周りの人たちが幸せだったら、それがまた自分に返ってくる。笑顔は副作用のない薬なんだ」といった言葉をかけたそうです。モニカ選手自身も最初はこの言葉が受け入れられなかったそうですが、その後退院し社会に出てからその大切さに気づいたといいます。

 悲しみや怒りなどの感情も周囲を巻き込み感染してしまいますが、うれしい楽しいなども感情も同じように周囲に影響します。笑顔でいれば周囲も笑顔になります。他人の笑顔を見ればこちらもうれしくなりますね。

 私自身もいつも「つらい時こそ笑顔で」と考えるようにしていて、これは自分が笑顔でいることで周囲の気持ちが楽になれば良いと考えていましたが、実は自分の笑顔で自分自身も救われていたんだなぁと気がつきました。







令和4年5月の門前掲示


 小学生
 「野球が上手になるには?」
 イチロー選手
 「道具を大事にする事だよ」


 アメリカのメジャーリーグでも活躍された日本の野球選手、イチローさんの言葉です。
 イチロー選手に小学生が「どうしたら野球が上手になりますか」と聞いたところ、イチロー選手は
 「バットやグローブなどの道具を大事にする事だよ」と答えたそうです。

 私は今年の4月から、地元消防団の分団長をつとめさせていただくことになりましたが、就任の挨拶の時に団員のみなさんにこのイチローさんの言葉を紹介させていただきました。
 実は私は消防団に入団したばかりの頃は、消防団を面倒に思いさぼりがちだったのですが、ある先輩団員が、消防車を愛情を込めて大切に扱う様子を見て、「自分もこうなりたい」と思って、指定の活動服をしっかり着て階級章や名札などもきちんと付け、道具を愛情込めて大切に扱うように心がけました。そうしたらだんだん消防団の活動が楽しくなってきて、気がついたら分団長まですることになりました。
 着るものをきちんとして道具を大切にすると心が整います。心が整えば練習にも気持ちが入ります。イチロー選手もそのような事を言いたかったのだと思います。

 曹洞宗には、「威儀即仏法 作法是宗旨(いいぎそくぶっぽう さほうこれしゅうし)」という言葉があります。「日常生活の身なりや立ち居振る舞いは全て仏の道であり、これが曹洞宗の教えである」という意味です。みなさんも、身の回りの道具を愛情を込め大切にしていただきたいと思います。そうすることで心が整い、勉強とか部活とか、仕事や日常生活が気持ちよく送る事ができると思います。






令和4年4月の門前掲示


 「君の選んだ道やったら きっとそれが君のひなたの道になる」 NHK朝ドラ カムカムエヴリバディ 大月錠一郎


 NKH朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のセリフからです。

 ドラマの中で、夢が叶わず地元に帰る青年に向けた言葉でした。

 NHKの朝ドラは、地方に住む若者が都会に出て活躍するなど、主人公が成功し思い通りになる世界が描かれる事が多いです。NHK朝ドラに限らず、多くのドラマは、主人公の思い通りに、視聴者の気持ちに叶うような、文字通りドラマチックなお話しが描かれがちですが、このドラマは「思い通りにならない」様子が多く描かれました。主人公の思い通りにならず、視聴者の期待を裏切り続ける内容でした。私たちが住む現実の世界も思い通りにならないことの連続でしょう。
 仏教では「四苦八苦」のように「苦」を説く宗教だ、とよく言われます。「苦」とは仏教では「思い通りにならない」という意味で使います。老いる事も病気も死も、何もかもが自分の思い通りにはいかないものです。そんな思い通りにいかない世界をいかに生きていくかを説くのが仏教です。

 そんな思い通りにいかない世界を生きていく中で、「君の選んだ道やったら きっとそれが君のひなたの道になる」という言葉がヒントになると思いました。「ひなたの道」というのが良いですね。「輝ける道」とか言わずに、陽の当たるあたたかい道、という感じで。うまくいかない、思い通りにいかない中でも、小さな成功に喜びを感じ、血の通ったあたたかい生活を送る事が良いんじゃないのかな。






令和4年3月の門前掲示


 「志を失わなければ きっとなれますよ」 NHK朝ドラ カムカムエヴリバディ 桃山剣之介


 NKH朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のセリフからです。
 主人公の少女が、時代劇俳優の握手会に参加して、「私、侍になりたいです」と言います。 この「ウルトラマンになりたいです」的な突飛な発言に、「志を失わなければ、きっとなれますよ」と優しく答えていました。良い言葉ですね。

 仏教には「精進」という言葉があります。一生懸命に励むことをいいます。

 3月です。卒業のシーズンです。卒業する皆さんには、これからの人生、志を失わず、一生懸命励んでいただきたいものです。また卒業生でない皆さんも、学校を卒業した時に心に秘めた志を思い出し精進していただきたいものです。






令和4年2月の門前掲示


 「浅き川も 深く渡れ」


 日本のことわざです。たとえ浅い川を渡るときであっても足下を注意して渡りなさいということです。
 浅い川であっても、注意して渡らなければ事故になる事もあります。よくよく注意して渡らなくてはなりません。

 私たちは、何かをするときに、「簡単な事」「大変な事」などと分けて考え、簡単な事だと思うと手を抜き、大変な事だけ慎重に行いがちですが、どのような事であっても慎重に行いたいものです。
 実は「簡単な事」「大変な事」など分け目はなく、どのような事であっても「大切に慎重に丁寧に行うべき事」なのだと思います。

 禅語に「脚下照顧」という言葉があります。お寺の出入口などに掲示され「はきものをそろえよ」という意味に使われているようですが、本来は自分の足下(日常生活)を見て反省しなさいという意味です。常に自分の行動を反省し、わずかなこと、小さいことにも注意をはらい生活したいものです。







令和4年1月の門前掲示


 「一日を大切にせよ その差が 人生の差につながる デカルト」


 フランスの哲学者デカルトの言葉です。
 新年を迎え、新たな気持ちになったものと思います。これを機会に一日一日を大切に過ごしたいものです。
 昨日も明日も似たような日でありそれが毎日続くように感じますが、当然のことながら今日という日は今日一日しかないのです。
 一日一日を大切にし、それを積み重ねることで大きな差が生まれるものと思います。







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