令和6年の門前掲示


令和6年3月の門前掲示


「正射必中」 (正しい射法で射られた矢は、必ず中(あた)る) 弓道の言葉 

 テレビなどで、弓道稽古の様子を見ることがありますが、所作の美しさや緊張感で、見ていて清々しい気持ちになり、また身が引き締まります。

 今月は、その弓道の言葉からです。「正射必中」「せいしゃひっちゅう」と読み、正しく射られた矢は必ず命中するという意味なのだそうです。
 弓道には、矢を射る際に「八節」といって八つの基本動作があるそうです。それを正しく丁寧におこなえば、必ず的に中てることができるという事だと思います。

 仏教では「因果」を説きます。出てきた結果には必ず原因があるということです。裏返せば、原因を正しくすれば、正しい結果がおのずとついてくるという事になります。「正射必中」という言葉は、この因果の教えに通じるところがあると思いました。

 私たちは結果優先で、つい楽な方法で良い結果を得ようとしがちですが、そのようなよこしまな心、ずるい気持ちで物事を行っていては、最初はうまくいくことがあるかもしれませんが、きっとうまくいかなくなる時がきます。正しい気持ちで、丁寧にものごとを行うことで、常に良い結果がうまれるものと私は思います。

 すぐに結果が出なくても、地道に正しい事を続ける人になりたいものです。






令和6年2月の門前掲示


「命をあきらめないでください」 (防災・危機管理アドバイザー 山村武彦氏) 

 令和6年1月1日に発生した能登半島地震によって被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

 今月の言葉は、このたびの震災にあたり、テレビの情報番組に出演した防災・危機管理アドバイザー山村武彦氏が、司会者から震災で倒壊した家屋や家具などに挟まれてしまい、身動きが取れなくなってしまった時の対処法について答えた時の言葉です。
 仏教では「あきらめる」は「明らかにする」といった意味で使いますが、ここでは一般的に使われる「断念する」の意味です。
 家屋や家具などにはさまれて身動きが取れなくなっても、もうだめだと断念せずに救助を待ちましょう。生きようとする力が命をつなぎ止めるのだと思います。

 この言葉は、人生においても同じだと思います。私たちは生きている中で、何度も「もうダメだ」と思う局面がでてくるものです。そんなとき、命をあきらめず、他の方法はないかと模索する事が大事だと思います。
 2月15日は「涅槃会」といい、お釈迦さまが亡くなられたご命日と言われています。この涅槃会を機会に、ご自分や周囲の命について見つめ直してみましょう。






令和6年1月の門前掲示


「一日一日を楽しんで」 
   
 今年最初に掲示する言葉は「一日一日を楽しんで」としました。

 仏教には「日日是好日(にちにちこれこうにち)」という言葉があります。
 これは「毎日いい日が続いてけっこうなことだ」などという意味ではなく、「一日一日がかけがえのない大切な日である」、という意味です。
 私たちは毎日毎日同じような日が続くように感じていますが、例えば「令和6年1月10日」という日は、令和6年1月10日を過ぎてしまえば、もう二度と来ることはありません。過ぎてしまえばやり直す事はできません。
 だからこそ、この一日一日を大切に、是非楽しんで生活していただきたいと思うのです。

 令和6年、新しい年を迎えました。この新年を機会に、新しい気持ちで毎日毎日を大切に、楽しんで生活したいものです。











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